銅製品,酸化銅,銅合金,純銅,亜鉛等のJIS用語

 

黄銅/快削黄銅/鍛造用黄銅/高力黄銅



伸銅品用語における”伸銅品の種類”の中の、”合金別”に分類されている用語のうち、『黄銅』、『快削黄銅』、『鍛造用黄銅』、『高力黄銅』のJIS規格における定義その他について。

伸銅品の種類、加工、熱処理、品質、性能、試験などに関する主な用語として、伸銅品用語(JIS H 0500)において、”伸銅品の種類”のうちの、”合金別”に分類されている用語には、以下の、『黄銅』、『快削黄銅』、『鍛造用黄銅』、『高力黄銅』などの用語が定義されています。

伸銅品用語(JIS H 0500)
⇒【伸銅品の種類 > 合金別】


分類: 伸銅品用語 > 伸銅品の種類 > 合金別

番号: 1131

用語: 黄銅

定義:
銅を主成分(59.0〜71.5%)とする亜鉛との合金(5100参照)(C2600〜C2801)
(※1)
参考1.
ただし、亜鉛以外の元素の添加がある場合は、次のすべてを満たすこと。
a)亜鉛の量が他の各元素より大
b)ニッケル含有量は5%以下
c)すず含有量wh3.5%以下
参考2.
銅と亜鉛の割合によって 60/40黄銅、65/35黄銅、70/30黄銅と呼ばれる場合もある。

対応英語(参考):
copper-zinc alloys,
brass


分類: 伸銅品用語 > 伸銅品の種類 > 合金別

番号: 1132

用語: 快削黄銅

定義:
銅 56.0〜63.0%、鉛 1.8〜4.5%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C3560〜C3713)。
参考:
鉛を添加して黄銅(1131参照)の被削性(3172参照)を改良したもので、銅合金中で最高の被削性をもち、切削加工によってねじ、歯車などに仕上げられ、機械部品などに用いられる。

対応英語(参考):
free-cutting brass


分類: 伸銅品用語 > 伸銅品の種類 > 合金別

番号: 1133

用語: 鍛造用黄銅

定義:
銅 57.0〜62.0%、鉛 0.25〜2.5%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C3712〜C3771)。
参考:
被削性(3172参照)を害することなく、熱間鍛造性(2240参照)を付与したものである。バルブ、機械部品などに用いられる。

対応英語(参考):
brass for forging,
forging brass


分類: 伸銅品用語 > 伸銅品の種類 > 合金別

番号: 1134

用語: 高力黄銅

定義:
銅 55.0〜60.5%の黄銅(1131参照)にアルミニウム2.0%以下、マンガン3.0%以下、鉄1.5%以下を添加した合金(5100参照)(C6782、C6783)。
参考:
黄銅に高強度をもたせたもので、船舶用プロペラ軸、ポンプ軸などに用いられる。

対応英語(参考):
high strength brass


(※1)
黄銅は、JIS H 3100(銅及び銅合金の板並びに条)においては、以下が規定されています。

黄銅(C2600):
展延性・絞り加工性に優れ、めっき性がよい。端子コネクターなど。

黄銅(C2680):
展延性・絞り加工性・めっき性がよい。スナップボタン、カメラ、まほう瓶などの深絞り用、端子コネクター、配線器具など。

黄銅(C2720):
展延性・絞り加工性がよい。浅絞り用など。

黄銅(C2801):
強度が高く、展延性がある。打ち抜いたまま又は折り曲げて使用する配線器具部品、ネームプレート、計器板など。